vietnam②19.2.14

ベトナム2日目
ホテルは窓がなくてなんだか落ち着かなかったのだけど、いつのまにか寝ていた。
5:20 起床。昨日屋台で買った緑色の果物が少し柔らかくなっていたので、機内食でもらったプラスチックナイフで切ってみる。柔らかい柿の白色みたいな見た目で、甘く美味しかった。昨夜ホテルのフロントの方に、明日は7時のバスに乗るため早めに出ますと伝えたつもりだったのだけど(自分はベトナム語はもちろん英語もあやういもんである)伝わっていただろうかと不安になりながらロビーへ向かうと、ホテルのおじさんがロビーの長椅子に寝ていてパッと飛び起きてチェックアウトの受付をしてくれた。スミマセン…
6:20 ホテルを出てタクシーでバス会社へ。ベトナムの朝ははやい。町にはにぎやかな音楽が流れて、屋台もそこかしこに出て、バイクもぶんぶん走っている。


バス会社の横でバインミーを買って食べて、7時にバス会社のミニバスに乗り、ミエンタイバスステーションへ。バスステーションにはたくさんのバスと、バイクがずらりと。まわりにはバインミーやら長いフランスパンやら色々な物売りの人が陣取っていた。
7:45 チャウドック行きのバスが到着。荷物を下に預けて乗り込む。バスは寝台で横三列、二段ベッド状態で、土足厳禁らしく入り口で靴をビニール袋に入れることになる。
8:00 発車。20分もすると市街地をぬけ、緑がひろがる。四角にならんだ田んぼや、アヒル牧場や、ヤシの木の苗を育てているらしい畑や。田んぼの中にぽつぽつと建つ家は、ヤシの木などに囲まれた1階建ての少し細長い四角の建物が多く、カラフルな玄関ドアはひらかれて、その横には椅子が置かれ涼んでいる人は気持ち良さそうであった。


前の座席の親子が、ベトナム語のクレヨンしんちゃんをスマホで観ていたのだけど、ベトナム語でもしんちゃんの喋りはしんちゃんとわかる喋り口調で、面白いもんだなーと思う。
9:00 ごろ、小さな町を通り過ぎる。グーグルマップで見たところ、ミトーという町らしい。ホーチミンから日帰りでこの町まできてメコン川クルーズをする、というのが定番なのだけど、それはまた今度やりたいなあ。道沿いの食堂の多くには椅子や机のあいだにハンモックがたくさん吊り下がっていて、気持ち良さそう。
10:00 道の駅的なところにとまり、休憩。建物の中に食堂やバインミー屋や果物屋やお土産屋や。バインミーを注文。朝と同じようなハムのを選んじゃったなーと思っていたら、ソースの味が朝とは違ってこれも美味しかった。バスの中で、青めのマンゴーの切り身を塩をつけながらつまむ。


11:45 道路の真ん中でバスがとまる。と、ドアが開かれて色々なものを売るおばさまたちがかわるがわる車内にはいってくる。袋にぎっちり詰めた小さなロールパンや、ウズラの卵や。そのなかで、クレープの皮みたいなのに紫色の米が巻かれたのをひとつ買ってみる。甘くてココナッツの細かいのも上に乗ってて、これは不思議な味だったなー?
12:00 船の発着所につき、バスはそのまま大きな船の中へ。ここから対岸へは船で渡るらしい。グーグルマップで見たら、明後日行く予定のロンスエンという町の南あたりだった。


13:50 チャウドック近くのバスターミナルに到着。まず、明後日のバスチケットを購入してしまおうと窓口に向かい、購入、そのときリュックサックが無いことに気付く。正確には、無い、のではなく、バスから受け取り忘れたのだ。あわてて外に出て、乗ってきたバスをみつけて「荷物忘れた!」的なジェスチャーをすると、「あなたのか知らないけど荷物は向こうにやった!」とジェスチャーで。指さされた建物の中でリュックサックをみつけたので良かったけど、気づかないまま市街地に向かっていたかもしれなかった自分の危機感のなさにヒヤリとした。
ひとまず市街地に向かい、ホテルに行くことにする。ホーチミンと違いタクシーがたくさんいるわけではないので、この旅はじめての「バイクタクシー」を使うことにする。さんざんみたあのバイクの波に乗り込むわけである。
建物からでると、さっそくバイクタクシーのお兄さんに声をかけられるので、ホテルまでをお願いする。ヘルメットをかぶり、お兄さんの後ろにまたがり、出発。はじめこそ怖かったけれど、じきにその風やら速度が爽快になってくるバイクタクシーでした。しかし排気ガスの強烈さよ。
10分もかからずにホテルに着く。ちょっと贅沢をした良いホテル。ひといきついて、町にくりだす。
川に近い大きな道を北上。日光がじりじりして、帽子をかぶってこなかったことを悔いる。少しすると公園にでて、風が少し気持ち良い。地球の歩き方によると、この川沿いをぶらぶらしていると声をかけられて対岸のチャム族の村までの船旅に誘われる、とのことだったので、それを狙って観光客然としてブラブラ。
そうしていると、有無を言わせぬ勢いのおばさまがやってきて、川へと連れて行かれた。船に乗せられて、少し待つと今度はおじさんがやってきて、そのおじさんが連れて行ってくれるらしい。ブルルルンとモーターがまわって船が進んでいく。


屋根のあるおかげでとても気持ち良い。川沿いには水上で暮らす人たちの家が浮かんでいる。すこしして、船はその中のひとつの家についた。そこにあがると、楽しそうに迎える二匹の犬と、カゴに入ったニワトリと。そして、床の下には魚が養殖されているらしく、おじさんがその中にドッグフードみたいなのを投げ込むとバシャバシャと魚が跳ねた。ドヤ…という顔のおじさん。船に戻るときには二匹の犬はもう寝ていた。
船を再び走らせ、チャム族の村に到着。川沿いの家は高床式になっていて、柱に過去の浸水レベルの線が書かれていた。
織物の織られる様子を見てその織物を購入したり、チャボの親子を見たり、神殿のような場所を見たり。道端には鮮やかに黄色の花が揺れていてきれいだった。
そしてまた船に乗り出発した場所へもどり、お代を支払い、町の中心地へ歩いて向かう。
ホーチミンとは違う町の雰囲気。ほこりっぽいなかに市場、たくさんの果物や川魚や発酵食のにおい。16時も過ぎて暑さはおさまったがのどがかわいて仕方なくて、ようやく見つけたジュース系の屋台。柑橘をギュッギュッと機械でしぼった果汁に、おたま一杯くらいの砂糖がジャンとはいる。そして氷をザッと。砂糖の量にびっくりしたけど、これが本当に美味しかった。飲み終わるとコップの底に砂糖が二センチくらい沈んでいた。

それから少しぶらついて、一度ホテルで休もう…と道端のバイクタクシーのおじさんに声をかける。ホテルの位置が説明しにくかったため、ホテル近くの教会まで乗せてってもらう。
教会につくと、バイクタクシーのおじさんが「見ておいで。見終わったら次の目的地に送ってあげるから」というようなことを言ってくれたが、もう本当に近くだから大丈夫です、と断る。
教会に入りゆっくりと見て、入り口にもどるとおじさんがまだいて、こちらにおいで、と教会のすぐちかくの建物によばれる。見るとそれは集団墓地らしく、おじさんのご家族がそこに眠っているとのこと。お線香をあげる。それから結局ホテルまで送ってくれて、教会からホテルまでのお代はいらないよ、とおじさんは去って行ったのであった。
18:00 ホテルの屋上で涼む。空がゆっくりと暮れていく。
ここから六キロ離れたところにサム山という山があり、そのふもとで日暮れ頃からナイトマーケットがあるらしい。そこへ向かおうと出発の準備をする。行きはまたバイクタクシーを考えたけれどなかなかつかまらず、ホテルのおじさんに相談すると、バイクタクシーのおじさんを大通りから連れてきてくれた。のだけど、なんだかもめている。なんとなくの雰囲気で聞くと、「この人をサム山まで連れてって帰りも乗せてきてくれ」「行きだけならいいが、帰りのタイミングに合わせるのはちょっと…」というような話らしい。もともと行きだけのつもりだったので(ナイトマーケットをのんびり見たいし)、「行きだけでいいですよ!」と言うも、ホテルのおじさんが渋っている。ちゃんと帰りのバイクタクシーつかまえられる?ほんとに?…という顔である。結局、往復でお願いすることになった。日暮れの街をバイクタクシーでぶいぶい行く。
サム山へ向かうまっすぐの太い道。ナイトマーケットの屋台がだんだんと増えてくる。そのさらに奥、バー・チュアスーに着き、行っといで、とヘルメットをとってもらう。
参拝の人たちでとてもにぎわいお供え物もきらびやかで、パワフルな場所だった。くるりと見てバイクのおじさんのところへ戻り、またもう少し先の寺院にも連れてってもらい、サム山をぐるりとする。そして気づけば来るときに通った一本道を引き返していて、あれナイトマーケット全然歩いてないや…と思いながらも、まあいいかという気になってきたので、寺院推しのおじさんに行き先をまかせる。
市街地に近いところにある寺院は夜の照明がペカペカとキッチュにカラフルに光っていて、なんだろう既視感…と思っていたけど、あれです、名古屋のペカペカ感。


また町に戻りもう一つ寺院を見て、ホテルへ到着。思いがけず寺院まつりになってしまった。とてもいい笑顔でおじさんは去って行ったのであった。
19:30 いいかげんにお腹が空いたので、もう一度大きな通りに出て屋台を物色する。人のたくさんいる屋台は美味しい屋台。そのなかで、コムタムスタイルの屋台に決める。ショーケースに並んだおかずから指差し選ぶと、それをいい具合に一皿にしてくれるのだ。椅子に座って待っていると、突然10歳くらいの男の子が向かいに腰掛けて、英語で話しかけられる。どこから来ましたか、日本のどこですか、東京へ行ったことはありますか、僕は先月から日本語を少し習っています、こんにちはやありがとうが言えます、日本のカートゥンは素晴らしい、ディナーを邪魔してごめんなさい、ありがとう。
男の子は二つ隣の机の家族のようだった。
20:00 屋台で少し果物を買い込んで、ホテルへ。昼に買ったものと合わせて食べてみる。パッションフルーツ、ランブータン、マンゴスチン、バンレイシ、名前のわからない果物がふたつ。